シーンについて
シーンごとのおすすめについて
「着物を着る機会はあまりない」と思っている方は多いと思いますが、きっと着物を着るシーンはあなたが考えている以上にたくさんあります。また着物を着るチャンスはあるけど着る勇気がない、どの着物を着たら正解なのか分からない、など洋服に比べて悩みが多いため着づらくなってしまっている、という方もいるでしょうか。
そんな方のために、ここではシーンごとのおすすめの着物を簡単にご紹介しますのでぜひご参考にしてみてください。
また着物にはルールがあり難しくて敷居が高いと思われがちですが、ある程度の決まりさえ分かっていれば、「絶対」はありません。
気楽に、あなたに合った着物選びをしてくださいね。
- ★七五三
- 七五三は子どもの成長を願う儀式。
七五三が始まったのは約400年前の江戸時代といわれています。
江戸幕府将軍の徳川綱吉の長男の健康を祈願して11月15日にお祝いをしたことが由来とされています。
この名残で、今でも七五三の一般的な参拝日は11月15日となっていますよね。
最近ではあまり日にちにこだわらず七五三の日を決めている方も多いので、仕事や家族の都合に合わせて決めても良いでしょう。
【三歳女児】
三歳の七五三は、「三つ身」と呼ばれる子ども寸法で仕立てられた着物を着ます。
お宮参りの際のお祝い着が「一つ身」ですので、それよりひと回り大きいサイズです。
この着物の上に「被布」と呼ばれる羽織ものを着ます。
三歳の場合は、着物に帯を締める通常の形ではなく、この三つ身に被布のスタイルが一般的です。
【五歳男児】
五歳の着物は、黒羽二重。大人の男性が結婚式の和装で着るものと同じです。
これに羽織・袴を合わせます。
羽織は鷹や富士山などおめでたい柄とされているものが描かれることが多いです。
【七歳女児】
七歳の着物は、四つ身仕立て(子ども用の裁ち方)か本裁ち(大人と同じ裁ち方)の振袖です。
着付け方も大人と同じになります。
肩揚げ・腰揚げ(肩や腰の布をつまんで丈を調節すること)をして成長しても長く着られるようにします。
【七五三に連れ添う両親・祖父母】
訪問着・附下・色無地などが良いでしょう。
子どもの母親であれば、控えめな色留袖を着ても良いでしょう。
あくまでも子どもが主役ですので、色柄は派手すぎないものを選びます。
主役を引き立てることを意識しましょう。
祖母であれば、子どもの母親よりも色柄や格を少し控えめにします。
母親が訪問着なら、祖母は母親より控えめな訪問着か、附下・色無地などにするのがおすすめ。
子どもの父親・祖父は男性着物に羽織のスタイルが良いでしょう。
- ★式典(入園式・卒園式・入学式・卒業式・祝賀会etc)
- 【入卒式に連れ添う】
子どもの入卒の場合、七五三と同じく主役を引き立てる着物が良いでしょう。
母親は訪問着や附下が一般的です。
訪問着の場合は柄ゆきがたっぷりしているので、あまり派手すぎないものがおすすめ。
父親は着物に羽織が良いでしょう。
【祝賀会など】
受賞のお祝いに開かれる祝賀会であなたが表彰される場合、主役となりますので黒留袖や色留袖などの正装がふさわしくなります。
また未婚女性であれば振袖が素敵です。
その他招待客として出向く場合は、訪問着などが良いでしょう。
男性は主役であれば紋付袴、その他は着物に羽織でOKです。
- ★成人式
- 【新成人】
女性は振袖を着ます。
男性は紋付袴か着物に羽織でOKです。
【両親】
成人の記念で写真などを撮る場合、両親も着物を着ても素敵です。
母親は訪問着や附下、父親は着物に羽織が良いでしょう。
- ★結納
- 結納とは、結婚の約束を正式に両家が取り交わす儀式。結納の起源はなんと1400年前までさかのぼります。仁徳天皇の皇子が妃をもらった際に納采が贈られ、これが今の結納にあたるとされています。
結納の作法が確立したのは室町時代。武家や公家のみで行われていました。
その後江戸時代には裕福な商家では結納を行うようになっていったようです。
そして庶民が行うようになったのは明治時代だとされています。
【女性】
結婚する本人は振袖が良いでしょう。
未婚のうちに着られる着物ですので、最後に結納で着るのも思い出になりますよ。
母親は第一礼装である黒留袖が一般的です。
カジュアルな雰囲気で行う結納なら色留袖・訪問着などでも良いでしょう。
【男性】
結婚する本人、父親ともに紋付袴が良いでしょう。
父親はカジュアルな雰囲気の結納なら着物に羽織でもOKです。
- ★結婚式
- 婚礼衣装に白が使用されるようになったのは平安時代とされていますが、白無垢が定着したのは室町時代。白が基調の由来は、花嫁が嫁ぐ際、「嫁ぎ先の色に染まる」という意味で白を用いてきたこととされています。
また、神職の衣装が白であることから、結婚式という神聖な式の衣装として白が定着したとも言われています。
色打掛に関しては、室町時代から武家の女性は着物の上に別の着物を羽織る打掛の姿が正装とされていて、江戸時代後期になると武家以外の女性でも結婚式で打掛を着るようになり、色打掛が一般に広まったとされています。
【花嫁】
白無垢、または色打掛を着ます。
【花婿】
紋付袴を着ます。
【両親・きょうだい】
母親は黒留袖、父親は紋付袴。
姉妹は色留袖や訪問着、振袖がおすすめです。
- ★お茶会
- 訪問着、色無地が一般的です。
男性は紋付袴か着物+羽織。
流派や先生によってルールが違う場合がありますので、事前によく確認しましょう。
- ★観劇
- 歌舞伎などの観劇は訪問着などが良いでしょう。
また場所によってはカジュアルで粋な着物も素敵です。
会場の雰囲気を事前に確認して着物を選んでくださいね。
男性は着物+羽織でOKです。
- ★パーティー
- パーティーの格や会場によって着物を変えます。
格の高いパーティーなら色留袖や振袖、それ以外は訪問着などが良いでしょう。
男性は正式なパーティーなら紋付袴、それ以外は着物+羽織で。
- ★会食
- 相手方や会場によって装いを変えます。
訪問着であれば基本的には対応できます。
格を上げたいようであれば色留袖が良いでしょう。
男性は長着に羽織が良いでしょう。
- ★葬儀
- 喪服を着ます。
黒の着物に黒の名古屋となります。
男性は紋付袴です。
明治時代までの喪服は黒ではなく白でした。
白は「死」を連想させる色であったからとされています。
喪服が黒となったのは明治時代、西洋文化の影響を受けた上流階級が葬儀に黒を身に着けたことから始まったとされています。
喪服が黒という常識は意外と最近定着したものなんですね。
このほかにもぜひ着物を着るシーンを沢山作って、着物とともに思い出を残してくださいね。
着物のTPOや商品に関してなど、いつでもお気軽にご質問くださいませ。