着物のTPO(訪問着編)
「この着物、素敵だけどいつ着ればいいの?」
「着る機会はあるけど、どんな着物を選べばいいかわからない」
といったお悩みは、着物を着るうえでつきものだと思います。
でも「着物はルールが厳しくて覚えられないから…」
と、せっかくの機会をあきらめてしまうのは勿体ない!
そこで、着物のTPO(いつ・どこで・どんな場面で)をご紹介します。
- ★訪問着とは…?
- 染めで描かれた着物は、柄付けの違いで名前が変わります。
訪問着は、肩から袖の模様が縫い目をまたいで繋がっていて(これを絵羽模様と呼びます)、
また、衿・胸・肩・袖などにも柄が入っているのが主な特徴です。
広い範囲に柄が施されるので、華やかな印象になります。
- ★訪問着の歴史
- 訪問着は、大正時代に訪問用の社交着として「訪問服」と名付けられ、
現在も定着しています。
なぜこの時代に訪問着が誕生したのでしょうか。
それは明治時代、日本人の生活が西洋化され、洋服を着るようになりました。
その反動で、大正時代にはもともとの日本文化を取り戻そうとする動きが高まり、西洋のドレスに負けない着物を作ろうと当時の三越百貨店が売り出した着物…
それが訪問着だったのです。
今でも行事や晴れの日に着物を着るという文化が残っているのは、先人たちが一生懸命着物文化を守ってきたからなのですね。
- ★訪問着の格は?
- 色留袖の次に格の高い準礼装(フォーマル)に位置付けられています。
以前は紋をつけることが多かったのですが、最近は一般的には紋を入れず着ることが多くなっています。そのため、着て行ける場面が広くなっているといえます。
- ★どんな時に着られる?
- ・親戚や友人・知人の披露宴
・ホテルでパーティー
・茶会
・お宮参り
・七五三
・入卒式
・お見合い
・結納、顔合わせ
・観劇
…など、フォーマルですが着用場面はかなり多い着物です。
- ★対象年齢は?
- 年齢、未婚・既婚を問わず着用できます。
年齢や好みに合わせて、明るい色・落ち着いた色を選んでみてもOKです。
柄も、古典的なものからモダンな柄まで様々なので、
着用シーンに合わせて選ぶのも楽しいですよ。
例えば
初釜なので、古典柄でおとなしめの色に…。
洋風なホテルでパーティーなので、モダンな柄にしてみようかな?
など。
- ★着用時期は?
- 着物は、生地によって着用時期が決まります。
訪問着も、袷(10~4月)・単衣(5・6・9月)・夏(7・8月)があり、
季節に合わせて生地が違うものを選べば、問題ありません。
夏物の訪問着は淡く爽やかな色が多く、素材感・着心地も袷のものとは違います。
また袷・単衣のものは色のバリエーションが多く、商品数自体も多く存在します。
それぞれ特徴があるため、季節ごとに着分けるのも楽しみのひとつではないでしょうか。
ただし最近では、披露宴会場やホテルなど屋内(空調の効いたところ)での着用も多いため、夏でも袷(10~4月用)を着用する方も少なくありません。
また、袷の着物のほうが重厚感があるという理由で(写真映りの好みで)、夏に着る方もいます。
着用場所の状況をイメージして選ぶと良いでしょう。
- ★どんな帯を合わせる?
- 一般的に、袋帯といわれるフォーマルな帯を合わせます。
織で柄出しされた古典的な柄が多く、着物の雰囲気(古典的・モダンなど)に合わせて選びます。
フォーマルの袋帯は金、銀色などで華やかにあしらわれたものも多く、着物を一層素敵に見せてくれるアイテムです。
- ★どんな小物を合わせる?
- 和装小物といえば、帯揚げ・帯締めです。
帯揚げは、ぼかし、淡い単色のもの、
帯締めは、裏が金や銀になっている平組のものを選びます。
色は帯や着物に合わせて、コーディネートの最後に差し色として入れると素敵です。
和装小物は、ちょっとしたものですがコーディネートの印象が大きく変わるアイテムの一つです。
春に淡い色、秋冬は濃い色…など、変化させるとおしゃれ度が上がります。
- ★長襦袢は?
- 長襦袢は着物の中に着るため大部分が隠れてしまいますが、ワンポイント見える箇所があります。
それは袖口です。
ほぼこの袖口からしか見えませんが、着物を着ている場面で一番動きがあるのは両手ですので、ちらっと見える長襦袢にも注目されるでしょう。
訪問着に合わせる長襦袢は、淡い単色のもの、淡色のぼかし、白から選びます。
着物の色とのコントラストを考えて合わせるのが良いです。
例えば
着物の地色より薄い同色系の色
着物の柄に入っている色と同系の色
などを意識して選ぶと、コーディネートしやすいですよ。
- ★半衿は何色?
- 最近はいろいろな種類の半衿が登場しており、何を付けたらいいのだろう?
と悩まれるかと思います。
半衿は特に、色柄が多く選ぶのが難しいですよね。
まず、どの着物に合わせても問題ないのが「白」です。
無地の白は留袖から訪問着、小紋まですべての着物に合わせられる万能アイテムです。
ただ、真っ白以外のものも楽しみたい…という場合、刺繍半衿も付けることが可能です。
ただし、色・柄に気を付けなければなりません。
地色のついた半衿はカジュアル感が出てしまうためNGです。
また、刺繍糸にカラフルな色が入っているものも控えたほうが良いでしょう。
刺繍半衿を付けるのであれば、金・銀・白刺繍のものが良いです。
ただし、金・銀刺繍はかなりフォーマル度が高くなるので、着用場面を考える必要があります。
白刺繍であれば豪華になりすぎず、最近では入卒・パーティー等で着用する方も増えています。
いかがでしたでしょうか?
このページを読んで、訪問着に関してのお悩みを解消していただけたら嬉しいです。
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ほかにない高級着物をぜひお楽しみくださいませ。
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