着物のTPO(黒留袖編)
お子様の結婚式・披露宴で着る着物として定着している黒留袖。
「機会があるけど、着るか迷っている」
「決まりがわからないから面倒…」
という方も多いかもしれません。
そこで、ここでは黒留袖のTPOをご紹介します。
- ★黒留袖とは・・・?
- 黒留袖は、訪問着・色留袖と同じく着物の縫い目をまたいで模様が繋がっている「絵羽模様」です。
しかし訪問着とは違い、柄は裾のみに描かれるのが特徴です。
色留袖も裾模様のみですが、黒留袖とは色で区別され、
また色留袖とは違い、第一礼装のみで着用できる着物になります。
- ★黒留袖の歴史
- 黒留袖は、19世紀初頭に黒い留袖を黒留袖、それ以外の留袖を色留袖と区別したところからこの名が定着しました。
そもそも、黒留袖の元になっているのが振袖です。
18歳くらいの年齢になると振袖の袖丈を短くする風習があったことから、袖を「切って留める」という意味で「留袖」という言葉が生まれたそうです。
元は、既婚女性の普段着のことも留袖と呼んだそうですが、今では「既婚女性が着る、ハレの日の着物」という意味合いだけが残りました。
- ★黒留袖の格は?
- 黒留袖は必ず五つ紋付きになっており、第一礼装の着物です。
紋は「染め抜き日向紋」を付ける決まりで、最高格になり、色留袖のように三つ紋や一つ紋にすることはできません。
- ★どんな時に着られる?
- ・お子様の結婚式・披露宴
・仲人夫人として出席する結婚式・披露宴
・既婚者としてきょうだいの結婚式・披露宴に出席する場合
…など、色留袖や訪問着に比べて着用機会は少なくなりますね。
- ★対象年齢は?
- 既婚女性のみ着用できます。
結婚していれば年齢は不問ですが、若い既婚女性はあえて黒留袖ではなく色留袖を着ることも多いです。
結婚式・披露宴にて新郎新婦の姉妹の場合は色留袖を選ぶことで若さを表現できますし、黒留袖を着た両家の母親と区別をつけることができますよね。
- ★着用時期は?
- 着物は生地によって着用時期が異なりますが、近年黒留袖は袷(10~4月)のものが主流です。
色留袖と同じく、着用場面がホテルや式場、披露宴会場など屋内になることが多く、袷以外の需要が低下しているといえます。
そのため、袷の黒留袖でも屋内であれば季節をあまり気にせず着用してよいでしょう。
- ★どんな帯を合わせる?
- フォーマル用の袋帯を合わせます。
色留袖と同じく、金糸・銀糸であしらわれた豪華なものを選びます。
柄は着物の柄に合わせて決めると良いでしょう。
裾模様が大きく上のほうまで柄の来る着物の場合は、細やかな柄で主張の少ない帯を選ぶと着物を引き立てるコーディネートになりますよ。
また、年齢によって、柄の大き目のものや柄の範囲が広い着物は避け、控えめな柄付けのものを選ぶ方もいます。
この場合は、帯を少し大柄のものにすると豪華さを失わず素敵です。
もちろん着物・帯ともに控えめな柄合わせでも、上品になりよく調和しますよ。
- ★どんな小物を合わせる?
- 色も紋の数も決まりのある黒留袖。
小物にももちろんルールがあります。
色留袖と同じく、帯揚げ・帯〆は白が基本です。
また白地に金糸・銀糸が入ったものも着用でき、華やかな印象になります。
帯揚げの生地は綸子・絞りが良く使われ、これも色留袖のものと同じです。
黒地の着物に白の小物で、すっきりと厳格な印象になるのが黒留袖の魅力。
正式な場にふさわしい重厚感で、まさに「一張羅」ですね。
次に留袖に必須の末広。
色留袖と同じく、黒留袖を着る際にも必要です。
装飾用の扇で、末広がりは縁起が良いとされ「末広」と呼ばれます。
「祝儀扇」とも呼ばれる末広ですが、これは広げて使うことはなく、帯の左側に挿します。
ほぼ挿したままで使うものですが、披露宴の立礼の際は手に持ちます。
右手で根元を持ち、左手は添えるだけ。
この時以外は基本挿しっぱなしでOKです。
また、マナー違反になってしまうのは「広げて扇ぐ」こと。
涼しくするための道具ではないので、これだけは避けましょう。
そして草履・バッグ。
こちらは金地や銀地の礼装用のものを使用します。
コーディネートとして、概ね金地のもののほうが着物との格が合い、調和がとれることが多いです。
ただし、着物の柄の色を考慮したうえ、トータルコーディネートで選んでくださいね。
草履のかかとは2~3段のものが良いでしょう。
黒留袖は第一礼装のため、段の高いものがふさわしいとされています。
バッグは草履とセットになっているものを選べば問題ありません。
- ★長襦袢は?
- 第一礼装である黒留袖の長襦袢は、白と決まっています。
色は選べませんが、地紋(生地の模様)にバリエーションがあるので好みで選んでみてくださいね。
また、生地の質感にも個性がありますよ。
- ★半衿は何色?
- 半衿もまた、白にする決まりです。
ただ留袖用に金糸・銀糸の刺繍が入った半衿もあり、これらも着用できます。
金銀の刺繍半衿は、一層フォーマル感を上げてくれるでしょう。
色留袖や訪問着に比べ、重厚感のある第一礼装の黒留袖。
着る機会が少ないからこそ、特別感がありますよね。
特別な日のために、楽しみながらご準備してみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
このページを読んで、黒留袖に関してのお悩みを解消していただけたら嬉しいです。
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