皆様、こんにちは。
当ブログで「絞り」については何度かお話してきました。
今回は少し深掘りし、「有松・鳴海絞り」をご紹介します。
有松・鳴海絞りは、愛知県名古屋市の有松町一帯で生産されている絞り染め。
慶長13年に尾張藩が桶狭間村の支郷作りを奨励した際、
土地が農作に適していなかったことから、農業以外の生計のつてとして
絞り染めが注目されました。
最初は、木綿絞りに藍染で手ぬぐいなどを染め、
東海道を往来する旅人に売っていたとか。
その後50年ほど経ち、絞りの技法が多様化。
絹絞りを紅や紫で染めはじめ、括りと染めの作業が分業制になりました。
絞り染めを始めた当初は有松内での販売でしたが
しだいに鳴海の宿にも出張するようになり、
「鳴海絞り」とも呼ばれるようになりました。
晒木綿に染めて浴衣として販売を始めたのは元禄の時代。
江戸時代後期には役者絵や美人画の衣装としても描かれるほど栄え、
豪華な町家建築の街並みができました。
有松・鳴海絞りの特徴は、京都の鹿の子絞りのような
緻密な技術を使った高価な絞りとは違い、
簡単な道具などもうまく利用しています。
素朴ではありますが多様な絞り技術が光る絞り染めで、
現在は木綿に限らず紬などにも染められ人気は健在です。
有松・鳴海絞りの技を守り続けているのは、熟練した女性の絞り手。
最近では絞り手の不足から、海外での括り作業も一般化してきました。
江戸時代から続く絞り技術を、ぜひとも後世まで伝えていきたいですよね。
今後、貴重となりうる有松・鳴海絞り。
ぜひ夏は、浴衣などで楽しんでくださいね♪
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